俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
赤ちゃんできました!?
──そして、3年後──
「春多くん、おかえりなさい」
「マジで疲れた。なんで指導医がアイツになるか意味分かんねー」
春多くんは無事国家試験に合格して医者(研修医)として大学病院で働きだした。
通常なら、院長が指導医になる事はないのだけど。院長自ら春多くんの指導をかって出たそうだ。
そして毎日、しごかれているらしい。
「透多は?」
「もう寝ちゃったよ。何時だと思ってるの?」
「えーーー、マジかよ。珠里さんごめんな。透多のこと任せっきりで……」
シュンと春多くんが私の肩にコツンと頭を乗せる。そのまま、目と目が合ってチュッと軽いキスが落とされた。
「なぁ、でさ。朝、言ってたアレどうだった?」
「うん、アレね。春多くんが帰ってきてから直接言おうと思って待ってたんだけど……んんっ」
背中に手を回されて、再び唇を合わせる。
この男のおかえりのキスは長い。いつまでも何度もチュッチュッと唇に吸い付いてくる。いってきますのキスも長いんだけど。
恒例のごとく、キスを繰り返していると──。
「あーーー!パパ帰ってきた!!ママとまたちゅーしてる!!とーたんもするーー」
目を擦りながら廊下を歩いてきた透多に、私達を発見されてしまった。