俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
ブランドに詳しくない私でも知ってる名前だけど、こんな小さな指輪1つでまさかそんなにするわけない……筈。と、左手の薬指にはめられた指輪に目を向けた。
確かに宝石いっぱいついてるな……。
「あー、流石。高層マンションに住む病院長の孫。いいなぁ!!」
「え、いやー、まさかそんなする筈ないよ!じゅっ、10万位じゃない?」
「もー、鴨ちゃんはブランド物に疎いんたまから!そんな安いわけないでしょう?✕✕✕✕の婚約指輪なんだよ!!」
*****
「春多くん!!この指輪100万円したの??」
真木ちゃんと別れてマンションに戻って、慌ててパソコンに向かう春多くんに問いつめた。
「あぁ?してないけど、何で?」
「良かったー、だって真木ちゃんがその位するって言うからさー」
そんな高価な物を気軽につけてた訳じゃなくて、ホッと胸を撫で下ろす。
「(小声)……まぁ、その位はしたけど」
「え?何か言った?」
「別に」
「でさ!ねぇ、それでいくらだったの?」
「それ聞くの?」
「だって、気になるし」
「金額じゃねーじゃん。俺はあんたに似合うと思って選んだんだし」