俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
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「お前怒られてたなー。珍しいというかはじめてじゃん?デイリーどころか課題も提出しなかったの」
病棟回り中、和泉が妙に嬉そうに肩を叩いてくるけど、流石に実習中に女と会ってたから何も出来なかったとは言えない。
「……寝落ちだよ」
「うひゃー、つまんねー理由」
「静かにしろよ。指導医に目ぇつけられるぞ」
「春多もただの人間だったんだな。俺は安心したよ」
なんだその上から目線。
和泉の言葉を返す気にもなれない。
結局、家で慌ててパソコンを起動させたけど課題等を終わすには時間が足りなくて、すみませんでしたって謝ったのに(平謝り)嫌味を言われた。
くそ、香川の野郎。
「鴨田さーん、こっち手伝って!!」
「あ、はーーい!」
2病棟に足を踏み入れた時に聞こえてきた声に耳を疑った。
淡い茶色の髪を1つに束ねた介護士の制服を身に纏う女がフロア内をかけて移動している。
何処かで見た事あると思ったら、大学病院だったのか。
ふーん、"鴨田"ね。可愛いし良かったし、俺の彼女に丁度いいよな。
臨床実習が無事終わったら、会いに行ってやるか。
2人が再開するのは、約1ヶ月後の話──。
───春多、道端で拾われる───