俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
「……は?」
「避妊しなかったかも」
「……え?」
「気持ち良すぎて……。んー、面倒くせーなぁ。もう、俺の子でいいよ」
「ま、待ってよ!子供だよ??」
「俺さー。丁度、彼女が欲しかったんだよね。今のうち作っておかなきゃマズかったのに、忙しくて作れなくてさ」
彼女が欲しいと、子供が欲しいじゃ全然ちがうじゃない!?
それに、忙しいからじゃなくて、性格悪いから彼女が出来ないんじゃないの?
あまりにも平然と言ってのけるから、私の方が間違ってるんじゃないかって頭がクラクラきてきた。
「ほ、本当に父親かも分からないのに、そんなテキトーでいいの?」
「あんたは、下ろしてーの?」
男の子が私のお腹に視線を落とすから、複雑な心境のまま小さく首を振る。
じわりと、また目に涙が溜まっていく。
まだ、全然 実感はない。母性なんて分からないけど、下ろしたくはない。お腹に両手を当てて唇をギュッと閉じた。