俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
目を輝かせて"羨ましい"なんて言われて、調子に乗ってしまったのは事実。
これは私の悪い癖でもある。
「えへへ。いやー、そんなこと無いんだけどね!」
「相手は何してる人なの?えー、イケメンなの?優しい?何歳?」
「えーっと、年は23だったかな」
「うわ、若い!年下ゲットしてたの?鴨ちゃんやるねー。写真とか無いの?」
「……そんなこと。写真はないんだけど、顔は、うん、まぁ可愛い感じかな」
「へぇー、見たい見たい!今度、会わせてよ!!」
「えー、彼人見知りだからなぁ。どうだろう、後で聞いてみるよ」
「仕事は?ITとか?その若さで稼いでんでしょう?すっごーい!」
「仕事はなんだっけ、えへへ、難しくて忘れちゃったなー」
今更、まだ学生だとは、言いにくいなぁ。
でも来年には働くだろうし。
あれ、研修医って忙しい割に給料そんな無いんだっけ?まぁ、介護士よりはずっと高いんだろうけど。
「そんなんだ!ちょっとさー、うちの病院のドクターかと思っちゃったよ。秘密の職場恋愛とか」
ドクン──。
真木ちゃんの言葉に、心臓が大きく飛び跳ねた。
「………あはっ、違うよー」