俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~



「アパート代とか浮いてラッキーとかちょっと思ってたろ?生活費だって少しは出して貰ってたんだろうし」

「…………」

「そんで、仕事帰りの香川が寄って一緒に飯食ったり、抱き合ったりしてたんだろ?奥さんいるの知りながらさぁー」

「…………っ、」

「悲劇のヒロインぶって。アルコールで自暴自棄になって、知らねぇ男と関係持って自分傷付けたりさぁ」

「…………や、やめてよ」


春多くんが呆れたように息をついて言葉を続けていく。
半分以上、図星の言葉。この子の言うことが当たっているからこそ耳を塞ぎたくなった。



「妻とは離婚するからとか、冷えきってるとかテキトーなこと言われて、その言葉にしがみついてくっだらねー……て、うわ…ごめん!!」


「……や、だ、うぅ……ぇっ、」


前はこんなに涙脆くなかったのに。ボロボロと涙が溢れて止まらない。
ひどい、ひどい。何でそんな酷いことが言えるの?



「あー、ごめん。ちょっと言いすぎた」

「……うぅっ……や、触らないでよっ!!」


自分でも驚くほど大きな声が出た。

次の瞬間、こいつが私を引き寄せるから、全力で拒否したいのに。大きな腕にかなう筈がなくて、この子の胸の中にすっぽり抱き締められた。



「ごめん……今のは俺が悪かった」

「やだっ、やめて…は、なして。あなたの子なんか産まない!1人で育てるし」

「おい、1人じゃ無理だろ?」

「いらないっ、無理じゃないし、シングルだって…いい、もん……」







「俺だよ。俺が愛人の子なんだよ」


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