俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
「妊婦の友達?」
「うん、昨日なんだけど仕事のあとスーパー寄ったんだけど、その帰りにね……」
───────────────
──────────
スーパーから帰宅途中。
春多くんは意外とお子様味覚で、カレー、ハンバーグ、オムライスあたりが好きなんだよね。なんて、思い出して"ふふっ"と口元が自然と緩む。
丁度その時、マンションの下にある公園の入り口に、女の人がしゃがみ込んでいるのが目に入った。
具合でも悪いのかな?
「あのー、大丈夫ですか?気分悪いんですか?」
近付いて声をかけると、20代……30代かなぁ?女の人がパッと顔をあげた。
「すみません、親切にありがとうございます。ちょっと体調悪いだけなので大丈夫です」
急いで近くのベンチに連れてって、水を買ってその人にと渡して。少し休んだら、落ち着いたみたい。
さっきは慌てて気付かなかったけど、上品で凄く穏やかそうな人だな。
「…………妊娠されてるんですか?」
「えっ、あ、はい!」
あれ、何で分かったのかな。
少し疑問に思ったけど、隣に座る女の人の視線がマタニティーマークのついたの私のバッグに向いていたから、すぐに納得した。