俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
私1人で盛り上がって話し続けちゃったけど、春多くんが淡々とそう口にするから、ムッとなった。
「え、でも、こっちだけ家に上がらして貰って悪いと思わない?」
「全然、思わない。あっちが勝手に誘ってきたんだから、勝手に遊びに行けばいーじゃん」
「例えばさ、子供が産まれても友達とか家に上げちゃ駄目?」
「駄目」
なんて、バッサリと切られるけど。その特別なプライベート空間に私の事は入れてくれたんだと思うと、ちょっと嬉しかったりして。
「ごちそうさん、俺この後勉強するから」
「あ、うん。食器そのままで……」
カタンと、春多くんが立ち上がる。と、同時に部屋に"ピンポーン"とチャイムの音が鳴り響いた。
「まさか、あんたその友達に部屋番 教えたの?」
「えっ、教えてないよ!宅配便でしょ?」
春多くんが怪訝な顔を向けてくるから、慌てて首を横に振る。
「宅配は全部ボックスだし」
「えー、春多くんの知り合いじゃない?ほら、お母さんとか……あっ、挨拶!!どうしよう??」
「違うよ、来たら怖えーよ。それに、パスワードかかってんだから同じマンションの奴しか入れないんだよ」
なんて、ブツブツ文句を言うこの子と2人でインターフォン画面を覗くと──。