俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
「なんで、真木ちゃんがここに??」
玄関を開けると、仕事帰りの真木ちゃんが立っていた。
「ごめんねー、突然来ちゃって!さすがにさ、スマホ無いと困ると思ってさぁ。ロックかかってあったんだけど、ケースのポケットにこんなメモあったから……」
彼女が私に差し出したのは、私のスマホと、マンション入口のパスワードと部屋番号が書かれたメモ用紙。
休憩室のテーブルの上にあった私のスマホを、真木ちゃんがここまで届けに来てくれたのだ。
「わー、真木ちゃん。わざわざありがとう!」
病院にスマホ忘れたの全然気付かなかった。でも、良かった。無いと困るもんね。
「それにしても、鴨ちゃん本当に25階建て高層マンションにいるんだね!!すっごーーーいエレガントって感じなんだけどー!!」
「え、えへへ」
「エントランスのパス通ってエレベーターで上がるの、凄いドキドキしちゃったし。いーなぁ」
「そうかなぁ、毎日だからもう慣れちゃったかな。それに、うち13階だからそんな高さないし……」
真木ちゃんがあまりにも羨ましそうに、頬を赤らめて目をキラキラとさせるから。ちょっと気分が持ち上がってしまったのも事実。
「あ、はじめましてー。鴨ちゃんの同僚の真木っていいます!あ、真木は名字なんだけど、えっと春多くんだっけ?この度は、赤ちゃんおめでとうございまーす!」