俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
唇を尖らせて、まるでふて腐れるように出た台詞。自分でも何を言ってるんだろうって思った。
これじゃ、まるで"愛して欲しい"みたいじゃない。と、気が付いて頬の熱が一気に上がる。
「なんだよ、そんな俺に愛して欲しいの?」
「ち、違っ、そういう意味じゃなくて…」
次の瞬間、春多くんが身を前に乗り出して近付いてきた。
それは、一瞬だけ唇が触れる軽いキス。
「んー、こうやって真っ赤な顔になるあんたは結構好きだよ」
「……なっ、」
「まぁ、あんたが望むなら、子供ごと愛してやるよ」
「…………」
「んじゃ。今度こそ、俺勉強するから。先、風呂入って寝てていいよ」
自身の部屋に入っていく春多くんの背中を見送って、パタンと扉が閉まる。
答えになってないし。普段は渡に触れようともしないのに、何でキスしたの?
力がフッと抜けてその場にペタンとしゃがみ込む。少ししてからそっと自分の唇に触れると、あの子の柔らかい体温が唇にまだ残っているのを感じた。
ズルい、ズルい。あの笑顔ズルくない──?
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(MiChi)
こんばんは!
この間はありがとうございました!
今度、遊びにきて頂きたいので、
お時間ある日、教えてください。
プレママ友達としてお腹の子供の事とか、
珠里さんと色々とお話したいです!
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テーブルの上では、真木ちゃんが届けてくれたスマホが静かに光っていた。