俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~



知らない男の人を家に上げるなんて、自分でも馬鹿だって分かってる。

スマホの画面なんて目に入らなければ良かった。俊也さんの言葉だけ信じられれば良かったのに。


視界がボヤける中、男の人の影がみえる。骨ばった手が私の頬に触れてそのまま目蓋を優しく撫でた。



「マジでいいの?」

「ふふっ、いいよぉ」

「……お姉さん、可愛(かーわ)い」


耳元で囁かれた低くて甘い声のトーン。

男の人がにっこりと口元を緩めて、両手で頬を持ち上げられた。
軽いキスが1つ落ちて、すぐに深いキスに切り替わる。



「んんっ、」

「ちゃんと、口開けろよ」


彼とは違う唇と手が乱暴で息が出来なくて泣きそうになった。



「……っ、」


床に押し倒されて、無理やりシャツを捲し上げられていく。

このまま、最後までされちゃうんだろうな。
違う。これは私が望んだこと。


私は完全に俊也さんのただの愛人。
このアパートは俊也さんの名義だし、休憩のエッチのための場所。

別に結婚を急いでいるわけじゃないし。
奥さんに罪悪感があるわけでもなかった。

でも、もうすぐ30なのにずるずるとこの関係を続けることに限界がきてる。



私だって、他の男の人と────。


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