明日のキミは。
―――キミさえ問題ないならその誘いに乗りたいと思っているが。
それは賭けだ。勝算の少ない、賭け。
でも、彼女の赤く染まった頬が、伝わってくる心臓の音が、勝算はゼロではないと教えてくれていた。
彼女は、まっすぐこちらを見つめると、
―――問題、ないです。
と小さな声で言った。
その言葉に初めて自分の心が震えたのを今でも鮮明に覚えている。
その日、交わしたキスは、自分の気持ちを決定づけた。