明日のキミは。
手を合わせて、いただきます、と声が揃う。
別に示し合わせているわけではないのに、いつもピタリと声が揃うこの瞬間が、私は好きだった。
また何かを考えながら黙々と食べだした先生は、途中で突然食べるを止めて、私の方を見る。
何事かと思って、私も同じように食事をやめようとしたが、口の中にトーストを入れたところだったので、慌ててコーヒーで飲みこもうとした。その瞬間。
「別に急がなくても、これから毎日一緒に寝ることだし、毎日みくが起こせるんじゃないか?」
「ぶぅっ……!」
コーヒーを吹き出したのは、私のせいではない。
(何か考えてるから研究のことかと思ったら、さっきの『私が起こしてみたかった』って発言を真剣に考えていたんですね……!)