最後に恋した一か月

***



「はぁ、はぁっ」


 あたしは疲れてその場にへたり込んだ。

 負けた……。


 何点かは取ったけど、完全に。


 浅田がこっちに来る。


「先輩」


 その顔は逆光でよくわからない。


「がっかりした?」

「え?」

「あんたの憧れなんてこんなもんだったの」

「先輩?」

「あたし、本気出しても、いまのあんたには負けちゃうし。幻滅したよね」

「そんなっ」

「それでも、あたしのこと、好き?」


 浅田……。


 あたしは…………。
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