最後に恋した一か月
「……世子さん」
「よろしい!」
「ねぇ、世子さん」
「なぁに?」
「今日も、あなたに会えて嬉しです」
「そりゃ良かった。ところで」
「ん?」
「あんた、もう三年になってるけど、進路、決めてんの?」
「ええ……?」
「まさか、あたしと同じとこ進学しようなんて考えてないでしょうね?」
「えええ、そ、それは……」
「あのねぇ、いくら、あんたがあたしのこと、好きでもそれはナシよ!! あんたはあんたの進みたい道を選ぶんだからね!! わかった!?」
「はーい」
「それに、そうじゃなくちゃ、なんのために……カレカノになったの?」
……浅田は、にこっとほほえんだ。