元勇者は彼女を寵愛する
ヴァイスと出会ったのは五年前。彼が私の住む村へとやってきた。
当時の私はまだ十六歳。一生に一度会えるかどうかも分からない勇者様に会えた喜びに震えていた。
そんな私に、旅のパートナーになってくれないかと声をかけてきたのはヴァイスの方だった。
その時はイケ……勇者様と一緒にいられる喜びで舞い上がり即承諾したのだけど、私に戦う力なんてこれっぽっちもない。
拠点となる街の宿屋に泊まり、魔族討伐に向かう彼を見送り、帰ってくる彼を出迎える。出来る事はそれだけだった。
そんな役立たずな私を、ヴァイスはずっと見放さないで側に居させてくれた。
彼の優しさと誠実さ、そしてイケメン。これで恋に落ちないはずが無い。
未だにヴァイスと恋人同士だという事が信じられない。
大丈夫?これ私、死んでないよね?
「天国で都合の良い夢見てるとか?はっ!まさか幸せ過ぎて腹上死しちゃったとか?あっはは!なーんてね!だって私とヴァイスはまだ」
「大丈夫。君はちゃんと生きているよ」
「……………ですよね」
今まさに、恥ずかしくて死にそうになった。
っていうか、なんで腹上死なのよ。欲求不満か!!
当時の私はまだ十六歳。一生に一度会えるかどうかも分からない勇者様に会えた喜びに震えていた。
そんな私に、旅のパートナーになってくれないかと声をかけてきたのはヴァイスの方だった。
その時はイケ……勇者様と一緒にいられる喜びで舞い上がり即承諾したのだけど、私に戦う力なんてこれっぽっちもない。
拠点となる街の宿屋に泊まり、魔族討伐に向かう彼を見送り、帰ってくる彼を出迎える。出来る事はそれだけだった。
そんな役立たずな私を、ヴァイスはずっと見放さないで側に居させてくれた。
彼の優しさと誠実さ、そしてイケメン。これで恋に落ちないはずが無い。
未だにヴァイスと恋人同士だという事が信じられない。
大丈夫?これ私、死んでないよね?
「天国で都合の良い夢見てるとか?はっ!まさか幸せ過ぎて腹上死しちゃったとか?あっはは!なーんてね!だって私とヴァイスはまだ」
「大丈夫。君はちゃんと生きているよ」
「……………ですよね」
今まさに、恥ずかしくて死にそうになった。
っていうか、なんで腹上死なのよ。欲求不満か!!