君の手が掴むもの
.....え? あそこに倒れているのって
................ひと?
え、酔っ払いのおじさんとかじゃなさそうだし...。
ていうか、近づけば近づくほどめっちゃイケメンの美青年。
でも、いくら今が春だからって今日の夜はまだ冬の季節並みに寒いって言ってたし...。
しかも.....。
『あ、あの...』
「.....」
あ、あれ。 聞こえてないのかな?
『...あの!!』
「..........なに」
『っ、あの 大丈夫ですか?その』「...何?あんたに関係ないでしょ。さっさとどっか行ってくんない?」
うっ。
『...そ、それはそうなんですけど』
「ねえ、聞こえなかった?早くどっかに行けって言ったんだけど。俺、女がこの世で一番嫌いなんだよね。」
えぇ...。
『...で、でもその傷でほっとけません。』
そう。彼はなんと、大怪我をしている!!
このまま見過ごしたら、絶対どうなったかなって後々気になるもん。
「.....」
『な、なので嫌かもっていうか嫌ですよね。それでも、その傷の手当だけさせてください。おねがいします!』
「.....はぁ。面倒な女。」