リセット〜君を救うために、何度でも〜
何百回、何千回、その言葉を言っただろうか。俺はぼんやりとした頭で考える。二十回を越えてからは、数えるのをやめてしまった。
時間を何度も巻き戻していくうちに、体はだんだんおかしくなっている。声がガラガラになり、手足はシワだらけになってまるで老人みたいに、体が思うように動かない。日和を助けたいのに、早く走ることができない。
階段を一段登っていくだけでも息が上がる。そんな俺の隣にあの男が現れ、「おいおい、そんなんじゃ彼女を救えないぞ?」と煽ってくるんだ。
「そんなヨボヨボのヒーローなんて、助けられた彼女は絶望するだろうな〜。また時間を巻き戻したらどうだ?そうすればもうちょっとまともに動けるかもよ?」
「黙れ!!」
男を殴り付けようと拳を振り上げるも、突然動いたことで目の前がクラリと揺れる。呼吸がどこか苦しくなり、その場に座り込んでしまう。何でこんなにも苦しいんだ……。
「ああ、間に合わないな。彼女はもう電車に轢かれてる時間だ」