リセット〜君を救うために、何度でも〜
俺たちが通う高校は、乗り換えする必要もなく、二駅で着いてしまう。通学時間が短いのが幸いだ。

体育館に一年生は集まり、壁に貼られた紙で自分の出席番号と名前を確認し、並べられたパイプ椅子に座る。幸運なことに、俺と日和は同じクラスになれた。やった!

「やった!類くんと一緒だ〜」

喜びを心の中だけで我慢する俺の横で、日和はその場で飛び跳ねる。明るい性格の彼女によく似合うポニーテールが揺れた。

「一年間、よろしくね!」

日和は俺に腕を広げて抱き着こうとする。そんなことされたら、自分の感情に歯止めが効かない……!俺は慌てて日和から距離を取った。

「こんな人が大勢いる前で抱き着こうとするな!そういうのは普通、恋人にするもんだろうが!」

恥ずかしさを覚えながら俺が言うと、日和の顔から一瞬表情が消えたように見えた。だが、すぐに日和の眉は下がって口には笑みが戻る。

「ごめんごめん、はしゃぎすぎちゃった」

「怪我するかもしれないから、程々にしろよ」
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