リセット〜君を救うために、何度でも〜
高校に入ってから、日和はどんどん大人っぽくなって、どんどん綺麗になっていく。もう心臓が持たない……。

「どうしたらいいんだよ!」

ずっと心の中で密かに想い続けていただけだから、どうしたら日和に振り向いてもらえるのかも、どうやって想いを伝えるのかも、何もかもわかんねぇ。

「お〜い、こんなとこで何やってんだよ。腹でも痛いのか?」

友達に声をかけられたが、まともに返すことができない。授業が始まっても、ボウッとしてしまう。そして真面目にノートを取っている日和の後ろ姿を見て、胸がギュッと苦しくなる。

(ああ、好きだな……)

もしも勇気が出せるのなら、夏休み中にちゃんと想いを伝えたい。そう思った。

そして六月三十日、六月最後の日は小雨が降っている。平日で学校がある。だが、俺はいつもは家を出る八時を過ぎても布団の中にいた。

「って……」

頭がズキズキと痛み、寒気がする。俺は布団の中に潜り込み、大きく息を吐いた。

「類、ここに薬置いとくからちゃんと飲むのよ。お母さん、もう仕事行くからね」

「ん、ありがと」
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