彼氏へ。わたしの爪と皮膚はしおりにしないでください。
最初は顔の猛烈にいい男子がめちゃくちゃ絡んできて、アイドルの握手会でこんな話しかけられ方したら絶対リアコ勢が泣きわめくだろうなあ、なんてのんびり思っていたら、わたしのことが好きで好きで仕方ないと泣きながら告白してきた。
付き合ってくださいの言葉への返事を考えながら保留にし、時がたつこと1ヶ月。
お付き合いを始めることになった。
──とまあ、回想はここまでにして友達への返信に急ぐ。
『星畑くんとうまくいってる? 今日は彼氏の家でデートだもんね!』
それからハートを抱えたクマのスタンプ、3連。
うまくいってるというか、なんというか、ほんとうにわたしのこと好きなんだなって感じ。
とかなんとか、思っていることをそのまま返すとしたらこう。でもそう返すことができないのは、なんか、こう──。