彼氏へ。わたしの爪と皮膚はしおりにしないでください。
「あんたってさ、ほんとわたしのこと好きだよね」
「えっ、なに急に! そりゃあもちろん好きだよ。もうね、爪切ってあげて指先の手入れも念入りにして、そのあと爪の欠片や、もしできちゃってたら切ったささくれの1部、それらを拾って集めてしおりとして保存したいくらいには」
「オーケー、黙ろう」
好き好き大好き、はーと、みたいな感じじゃなくてガチで重いしまじで重いしな愛情だから。
星畑の愛がこんなにも重いことは、付き合う前のアピールの仕方からわかってはいたけれど──でも、うん。
やっぱり激重。
それにほだされているわたしがいるのがほんっっっとうに悔しくて、だからそうは返信しづらくて。
悩む。
どうしてくれるんだ、星畑くんよ。