彼氏へ。わたしの爪と皮膚はしおりにしないでください。
なんだよ、爪とささくれのしおりって。
アルコールでまわらなくなった脳が、あれ以上のパワーワードを炸裂させる可能性があるっていうのがもう怖い。
数年後もあたりまえに好かれてる自信があるのも、たぶん、こいつのせいだ。こいつがいつも強烈にわたしを愛してるし、愛してるよって恥じらいもなく言うし、そのせい。
自尊心がとんでもなく高められてる。
──まあでも、わたしだって、別れる気ないですけど。
「星畑」
「なに?」
「うるさい」
「……うん」
そんな、耳としっぽがわかるくらいにしゅんとされたら、わたしの中で罪悪感にリンチされる。