彼氏へ。わたしの爪と皮膚はしおりにしないでください。
「……うるさいけど、そんな、1ミリグラムも喋るな、とは、べつに言ってない」
「ほんと!?」
「ほんとですよ、それにしたって気の変わりようがすごいけど」
耳としっぽがわかるくらいに嬉しがってる。みんな、聞いて。わたしの彼氏がさいきょうにかわいい。どうしてくれようね。
「さっきどこまで話したっけ……。えっと、とにかくね、はじめて会話したあのときからもうすでに久野はかわいくてかわいくて、それでね、それで」
口を開けばわたしの好きなところを話し始めるところ以外、ほんと、全部好きなんだけどな。
こういうときの星畑が嫌いなわけじゃない。わけじゃないけど、でも、やっぱり照れはうまれるというか。
好きなひとから永遠に好きを伝えられて、照れないわけなくないか?
一周まわって、なんとなく、いらっ。