あたしは桜子－ 売れないモデル－

こいつ、思ったよりしたたかだわ。桜子は、タケルの顔を見た。


「それじゃ、仕事の説明するからね。えとクライアントはブルーアイスクリーム株式会社。それと、もう一人歌手の子が入るの。まあ、その子がメインだからね。あなたたちも知ってる、大スターの橘琴美ちゃん。撮影は麻布のスタジオ。後一週間後。朝5時入りだからね。終りまで回すから体調整えてね。」


桜子は、驚いた。そして、チャンスだと思った。橘琴美といえば、今売れてるアイドルだ。その子と一緒に出るとすれば注目度はがぜん上る。

「それじゃ、クライアントのとこに行く前に新しくプロフ撮っておくから、明日衣装持って来て。フワッとした白っぽいのとブルー系。アクセは自由。メイク道具ももちろんね、普段の仕事と同じように。」


「ちょっと今、スタジオ行ってクライアントに見せるプロフの写真、カメラマンと相談しよう。」


マネージャーは、そう言いうと2人を促した。

カメラマンと桜子は、割とウマが合う。不思議と仕事へ行っても、カメラマンとは仲良しになる。その割にクライアントの受けは悪かった。