あたしは桜子- 売れないモデル-
タケルは急に立ち止まる。


「ねえ桜子、ちょっと疲れたから休んで行こうよ。」

2人は、手近な店に入った。タケルが、桜子に聞いた。

「ねえ、桜子はどうしてモデルになったの?」


「なんでってさ…、有名になりたいの。お金稼いで金持ちになるの。」

「ふーん、そう。」


タケルは、気の抜けた返事をする。

「なによ、タケルだって母子家庭じゃない。お金持ちになりたいと思うでしょ?」


「まあね、でもそんなにガッついていると、つまづくからさ。気をつけたほうがいいよ。」


桜子は、イライラした。何よこの子、何でもわかったような事言ってさ。


「とにかく、まだこれからが本番だからね。」


そう言って桜子は、アパートへ戻った。


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