あたしは桜子- 売れないモデル-
智也はまだ、帰ってなかった。
桜子は疲れて、ベッドに横たわった。そのまましばらく、寝てしまった。

ケータイが鳴って、目を覚ました。
バイト先の居酒屋からだった。
しまった、連絡するの忘れてた。
桜子は、恐る恐る電話にでた。


「もしもし、桜子?どうしたの?なんで連絡なしに休むんだ。お前もう来なくていい!」

店長からだった。
あーあ…首か…。
そのまま又、寝てしまった。
夢を見ていた。幼い頃の夢。
お腹空いてるし寒いよ…一人っきりで寂しい。泣き出した所で、誰かが肩を揺する。
目を覚ますと智也だった。


「どうしたの?うなされてさ。大丈夫?」


「あ、うん。あたし寝ちゃったの。」


「うん、よっぽど疲れたんだね。」

「智也ー、好き。あたしのこと見捨てないでね。」


桜子は智也に抱き付いた。


「どうしたの突然。お前こそ、俺を捨てるんじゃないぞ。笑。」


そう言うと、智也は桜子を強く抱き締めた。


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