あたしは桜子- 売れないモデル-
あっという間に、撮影当日がきてしまった。
早朝暗いうちに、起きていた。と言うより、寝られなかったの。
マネージャーが車で、迎えにきてくれた。朝の4時…。

「おはようございます。」


「おはよう、桜子。」


さすがに大きい仕事は違う、と思いながら車に乗り込んだ。


「ねえ、マネージャー、タケルはどうするの?」


「ああ、タケルなら社長が迎えに行ったから。」


へえ、社長だって…。あいつ格が違うって事?気分悪い、聞かなきゃ良かった。
マネージャーは、後の座席で面白くない顔をしていた桜子を、バックミラーで見ていた。

「タケルは、社長が目をかけてるからね。」


悔しいけどさ、今はそんな事気にしない。今日の仕事にかけてるから。

車は、麻布のスタジオに着いた。タケルと社長はもう着いていた。


「早く、控え室に入って!」


2人は、控え室でマネージャーと待った。マネージャーが、新しいプロフを持って関係者に渡す。

突然、ドアが開く。


「君達、ちょっと来て。」


2人は、呼ばれてスタジオに入る。もうセッティングがされていた。


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