あたしは桜子- 売れないモデル-
「ねえ、ねえ智也!今私さ、コンビニでね…。」


「ああ、ちょっとー、今話聞けないよー。」


「なによー、いいじゃない。勉強ばっかしてるとさー、どうかなっちゃうよ」


桜子は、勉強している智也の背中にしなだれかかる。
智也は珍しく怒った。


「なんだよ!俺はお前と別れたくないから頑張ってるんだ。もう…。」

そう言いながら、智也は振り向くと桜子を抱き締めた。


「あーん、智也好き。」


「桜子、いい子にして。笑。」


智也は桜子の唇をふさいだ。

その時、桜子のケータイが鳴る。


「もう、誰?」


桜子がケータイを見ると、事務所からだった。


「桜子ちゃん、元気?ちょっとご無沙汰でごめんねー。あのCMからジワジワ来てさ、すごいオファー来てるの。明日事務所に来て。」


それは、久し振りのマネージャーの声だった。桜子は、気持ちが昂揚している感じがした。
どうしよう、売れるってこういう感じなんだ。


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