あたしは桜子- 売れないモデル-
社長の言葉に、桜子の母親はふーんと鼻をならした。
「桜子の事を聞きたいんだ?いいよ、でも高いよ。」
社長は覚悟したように、こっくり頷いた。
「じゃ話してあげるよ、まあ大した話じゃあないけどね。笑。」
「桜子の父親とは、私がアメリカ軍の基地の近くで、スナックをしてた時に会ったの。店の客として良く来てた。2人とも若かったしね、仲良くなるのに時間はかからなかった。あの人は私に夢中になった。最初は土日の休みに来ていた。でもそのうち、毎日入り浸るようになった。他のお客も私の旦那だと思っていたの。で、桜子を身籠もった。あの人はそれは喜んでくれた。それでますます家へ居着くようになって、勤務がおろそかになった。そしたらある日上官がきてさ、あの人は連れて行かれてアメリカに強制送還されたんだ。それっきり会う手立てもなくて、子供も生まれて大変だった。それから今の旦那と一緒になったの。」
桜子は、不覚にも涙が出た。どうして私には、何一つ父さんの事は言わなかったのだろうか。
「桜子の事を聞きたいんだ?いいよ、でも高いよ。」
社長は覚悟したように、こっくり頷いた。
「じゃ話してあげるよ、まあ大した話じゃあないけどね。笑。」
「桜子の父親とは、私がアメリカ軍の基地の近くで、スナックをしてた時に会ったの。店の客として良く来てた。2人とも若かったしね、仲良くなるのに時間はかからなかった。あの人は私に夢中になった。最初は土日の休みに来ていた。でもそのうち、毎日入り浸るようになった。他のお客も私の旦那だと思っていたの。で、桜子を身籠もった。あの人はそれは喜んでくれた。それでますます家へ居着くようになって、勤務がおろそかになった。そしたらある日上官がきてさ、あの人は連れて行かれてアメリカに強制送還されたんだ。それっきり会う手立てもなくて、子供も生まれて大変だった。それから今の旦那と一緒になったの。」
桜子は、不覚にも涙が出た。どうして私には、何一つ父さんの事は言わなかったのだろうか。