あたしは桜子- 売れないモデル-
「桜子、おはよう。」


タケルが桜子を起こしにきた。


「タケル…どうしてあたしを家に呼んだの?」


「お前さ、何か最近おかしいから。ドラマに影響すると僕も困るし。」

「何でもないよ、それにお前ってやめてよ。あたしのほうがいっこ上なの。」


「わかってる。で、朝食食べながら聞いてあげる。」

「何よ!また人の話聞いてないし。」


桜子は、はっとした。こいつ知ってる、あたしの秘密。


「タケル、知ってるんでしょ?」


「あは、ばれた?社長から全部聞いた。誤解しないで、僕は味方だから同じハーフだし。」


「やっぱり知ってたの…。やっぱり私ハーフに見える?」


「だいたいの、いや半数の人はそう思ってるかもね。」


「ふーん、そうか。」


「社長がもみ消しに、やっきになってるから大丈夫さ。でも、ハーフのほうが売りやすいけどね。」


「そんな事はわかってる。でも今さら…それに母さんとか父さんの事色々ほじくられると困るし。あなたみたいなお坊ちゃまとは違うの。」


桜子がそう言うと、タケルはいきなり桜子を抱き締めた。


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