あたしは桜子- 売れないモデル-
2人はしばらくタケルのベッドで、くつろいでいた。


「タケルのベッドは大きいのね。それに天蓋つきのベッドなんて、ドラマのセットよりすごい。笑。」


桜子が部屋を見回して言うと、タケルが笑った。


「桜子、お腹空いてる?ちょっと美味しいもの食べに行こうか。」


タケルはケータイで何処かへ電話した。


「いつも懇意にしてるイタメシ屋さんがあるから、行こうか。」


もう外は薄暗くなっていた。

車庫へ行くと桜子は驚いた。昨日の車はなかったが、他に外車が2台もある。

「すごーい!昨日は暗くて気が付かなかったわ。」

「今日は、母さんが運転手つきで出かけてるから、自分で運転しないと。笑。」


タケルは桜子に、目立たないように帽子とサングラスをさせ、後の座席に乗せた。


「さあ、行こうか。」


「タケルが運転出来るなんて知らなかった。」


「何だよー、随分じゃない。僕だって一応免許持ってるし。笑。」


2人はそれから他愛もないおしゃべりをした。


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