あたしは桜子－ 売れないモデル－
しばらくして、タケルからメールがきた。


「桜子、元気かい？僕は今アメリカにいる。父さんを探して本当の事を調べる。必ず帰るから。」


「うん、わかった。あたしは大丈夫よ。待ってる。」

桜子は、返事をしてケータイを閉じた。
あれからマスコミに色々叩かれて、2人は事務所を解雇された。他の事務所からのアポイントも多少はあったが、桜子はそれには応じなかった。

「あたしは桜子、モデルのプライドは捨てない。変な仕事はしないわ。」

タケルの行方はわからなくなったけど、一人でも平気、生きていける。元々一人で生きてきたんだ。

桜子は、今までのマンションを出た。
桜子のケータイが鳴る。
マネージャーだった。


「桜子、元気にしてる？あのね、お母さんから連絡があってね、あなたのケータイ教えていいかしら。」


「え、母さんが…。だめよ、絶対だめ。」


「そう、やっぱりだめか。でも、心配してるよ。これからどうするの？」


「落ち着いたら連絡入れる。」


そう言って電話を切った。


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