あたしは桜子- 売れないモデル-
「ちょっと待てよ。母さんとタケルと、どんな関係があるんだ。」


「知らないのか。それじゃ、教えてやるよ。色々調べるのは、大変だったよ。昔の事だからね。」


その時、二階にいた桜子は、部屋の中を不安そうに歩き回っていた。


「何しにきたんだろう、あいつ…。」


でも、風輝に任せておけば、きっと大丈夫よ。
その時、戸棚にある小さいアルバムに、気が付いた。
悪いかなと思いながら、取り出して見る。


「わあ、風輝の小さい頃…。可愛い。」


これがお父さんね。あ…、これがお母さん?
桜子は、風輝を抱いている女の人をじっと見た。何処かで見た感じ…。記憶の糸をたぐっていた。

その時、風輝の声がした。


「桜子、ちょっと出て来る。店を頼む。」


「どうしたの?」

「あいつと話があるんだ。店じゃ困るし、他へ行くよ。」


「大丈夫?あたしの事なら、心配しないで。かずに迷惑かけないから。」


「いや、違うんだ。僕の母さんの話。」


「え?かず君のお母さんの話?」


「心配いらないよ。笑。」


そう言って風輝は出かけた。


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