あたしは桜子- 売れないモデル-
アパートへ着くと、智也のケータイが鳴った。


「あ、なに?うんわかった。」


桜子は、ぷっと吹き出した。


「なーにそれ、誰から?」


「うちの親。」


「ねえ、親ってさ…、智也の親って弁護士でしょ?」

「うん、試験終わったら顔見せに帰って来いって。」

「ふーん、そう。」


「ほんとはここに来るって言うからさ、まずいじゃない。だからこっちから行くって言ったんだ。」


桜子は、笑った。

「そうよね。私と一緒に暮らしてるなんて、わかったらびっくりだよね。」


「でも、いいけど、既成事実で一緒になっちゃおか!」


「いやよー、あたしは結婚なんてしない。有名なモデルになるの。」


桜子は、そう言うとベッドに寝転んだ。


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