クールな幼なじみが本気になったら
「先生たちは一旦抜けるから、もしなにかあったら呼びにきてね」

「わかりました」

「ごめんね、こんなところで食事だなんて」

「いいえ、構いませんっ」


わたしは先生に笑ってみせる。


だって、みんなといっしょに食べる食堂だったら、クラスごとに座ることになる。

クラスの違うりっくんとはいっしょにはなれない。


だけど、ここならりっくんと2人きりで、顔を合わせて食事をすることができるから。

それが、うれしいんだ。


「なんだよ。さっきから人の顔をじろじろ見て」

「な…なんでもないよ!」


ついつい、目の前に座るりっくんに見惚れてしまっていた。


…今まで自分じゃ気づいてなかったけど。


りっくんの気持ちを知って、頼りになりすぎるくらいのりっくんの姿を見て――。

わたし、めちゃくちゃりっくんのことが好きなんだ。
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