クールな幼なじみが本気になったら
「あれ?りっくんは食べないの?」


わたしは、デザートのゼリーに手を伸ばしたところだけど、りっくんはほとんど食事に手をつけていない。


「…ああ、うん。あまりにもしずくがおいしそうな顔して食べるものだから、ずっと見ていたかっただけ」

「なにそれっ…。そんなに見ないでよ…!」


りっくんに見られていると思ったら、余計にゼリーが食べづらい。


――そのとき。

医務室のドアが勢いよく開け放たれた。


驚いて目を向けると、そこに立っていたのは芽依。


急いできたのだろうか、息を切らしている。


「め…芽依?」


ドアのところでハァハァと息継ぎをする芽依に、おそるおそる歩み寄ると…。


「しずくっ…!ほんとにごめんなさいっ!!」


なんと、芽依が泣きじゃくりながらわたしに抱きついてきた。
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