クールな幼なじみが本気になったら
「…芽依」

「あのとき、すごい剣幕で怒ったけど、俺は間違ったことをした篠田さんたちに謝るつもりはないから。俺の中では、しずくが一番大事だから」


りっくんのその言葉を聞いて、芽依はゆっくりと頷いた。


「それで、ようやくわかったの。あたしがどんなことをしたって、2人の間を引き裂くことなんてできないんだって…」


芽依は、ただただりっくんのことが好きだっただけ。

その好きという気持ちに、わたしは邪魔な存在だった。


だから、わたしのことを無視したり、いやなことをしてきた。


芽依がしたことは簡単に許せるものではないけど、涙で顔をぐちゃぐちゃにしながらわたしに謝ってきた。

自分の行いに、とても反省している。


わたしだって、芽依は悪い子じゃないのは知っている。


芽依がわたしに話しかけてきてくれなかったら、地味なわたしは今もクラスで1人浮いていたことだろう。
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