クールな幼なじみが本気になったら
だから、わたしはくしゃっと笑って頷いた。

りっくんも安心したように頬を緩めた。


こうしてわたしたちは、正式に付き合うことになった。



…ピピピピピッ!


りっくんの脇に挟んでいた体温計が鳴る。


「「38度2分…」」


そのデジタルな数字を見て、2人して肩を落とす。


「先生からもらった薬飲んだのに、全然下がらないね」

「でも、初めよりは1度以上は下がったから心配すんなって」

「明日には、平熱に戻っていたらいいんだけど…。せっかくの林間学習だったのに、こんなことになっちゃって…ごめんね」

「しずく、もう『ごめん』はいいって。謝るの禁止な?」


そう言われたら、『でも』も『ごめん』も言えなくなってしまった。

仕方なく、わたしはぎこちなく頷く。
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