クールな幼なじみが本気になったら
恥ずかしそうにはにかむりっくんがかわいい。


「じゃあ、これでおあいこだから、もうこの話は終わりっ」


そう言って、りっくんはわたしの髪をくしゃっと撫でた。


とは言っても、りっくんの林間学習の大切な時間を潰してしまったと思ったら、申し訳なさで心の中がモヤモヤする。


りっくんが熱を出さなければ、今頃は大部屋でみんなと枕投げをしたりして、盛り上がっていたかもしれないのに…。


そんな責任を感じるわたしの顔をりっくんが覗き込む。

見ると、こんな状況だというのに、いたずらっぽく笑っていた。


「むしろ俺は、こうなってラッキーだと思ってるけど」

「…どうして?」

「だって、普通にしてたらしずくといっしょに部屋で過ごすなんて、絶対できないじゃん」


クラスも違うし、そもそも男女別々の部屋。
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