クールな幼なじみが本気になったら
りっくんとは、どうがんばったって同じ部屋になることはない。


「こうして同じ部屋で、しずくがそばで看病してくれるなら、俺は熱が出てよかったって思ってる」

「もうっ…、りっくんてば」


高熱だっていうのに、そんな冗談なんか言っちゃって。


「だけど、しずく。寝るときには女子部屋に戻れよ?」

「…えっ。でも、夜中にまた熱が上がったら大変――」

「俺だって子どもじゃないんだから、そんなことくらいで死ぬかよ」

「けどっ…」


こんな状態のりっくんを1人で残すのは不安だ。


そう思っていたら――。


「…だったら」


隣にいたりっくんが小さく呟く。


そして、急にりっくんに抱き寄せられたかと思ったら、そのまま布団の上に押し倒されてしまった。


「俺と一晩同じ部屋で過ごすってことは、どうなっても知らないよ」
< 130 / 220 >

この作品をシェア

pagetop