クールな幼なじみが本気になったら
顔のほてったりっくんが、上から覆いかぶさる。


「り…りっくん!?」


突然のことで、わたしはただただりっくんの顔を見つめるばかり。


「ようやくしずくと付き合えたんだから、あんなことやこんなことしたいに決まってんじゃんっ」


りっくん、高熱で体がだるいはずなのに――。

わたしの腕をつかむ力は…強い。


熱で浮かされているせいだろうか…。

クールだと思っていたりっくんが、余裕なくわたしに迫ってくる。


「言っておくけど、熱でどうにかなってるわけじゃないから。好きな女と2人きりになったら、フツーの男だったら理性きかなくなるって」


わたしの首元に顔を埋め、耳元でりっくんが囁く。


りっくんは昔から、他の男の子よりもどこか大人びていて落ち着きがあった。

だから、いつしか遠い存在のように感じていたけど…。
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