クールな幼なじみが本気になったら
顔色もいいし、朝食もこの部屋で完食したらしい。


「しずくは?川遊びに行かなくてもいいの?」

「あ…うん。やっぱり、りっくんのことが心配で…」

「そっか、ありがとう」

「荷物はまとめられた?まだなら、わたしが手伝うよ」


すると、机に手を突き立ち上がろうとしたわたしの腕を、りっくんが引っ張った。


その弾みに、わたしの体はりっくんのあぐらの上へ。

そして、後ろからギュッと抱きしめられた。


2人だけのこのドキドキの状況に、思わず緊張で体が強張る。

そんなわたしに対して、りっくんはクスッと笑う。


「もしかして、昨日のこと…思い出しちゃった?」


耳元でそんなことを囁かれたら、頬が徐々に熱くなっていくのがわかった。


「りっくんは、ずるいよっ…。わたしは初めてのドキドキばかりで、いっぱいいっぱいだっていうのに…」
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