クールな幼なじみが本気になったら
「俺だって、初めてのことばかりだよ。それに、その相手がしずくだから余計にドキドキしてるっ…」


そう言いながら、りっくんはそっとわたしの右手を取った。

そしてその手を自分の胸へと導く。


手のひらに伝わる…りっくんの鼓動。


速くて、力強かった。


「これでわかっただろ?…俺のほうこそ余裕ねぇよ」


見ると、りっくんの頬も赤くなっているのに気づいた。


「…しずく。俺、我慢のしすぎでどうにかなっちゃいそうだから、昨日の続き…してもいいかな」


りっくんがわたしを愛おしそうに見つめてくる。

その熱い瞳に視線を奪われながら、わたしは小さく頷いた。


「わたしも…してほしい」


小さく呟くと、りっくんがそっとわたしの頬にキスをした。


まるで、マシュマロが触れたかのような柔らかい感触。
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