クールな幼なじみが本気になったら
顔を離したりっくんと目が合って、2人同時に照れ笑い。


そうして、またゆっくりと視線が重なり――。

まるで吸い込まれるように、どちらからともなくキスをした。



りっくんとのキス。

好きな人との…キス。


その甘くて優しい初めてのキスに、うれし涙がじわりと滲むくらい、体中が幸せで満たされた。



「な…なんだか、やっぱり恥ずかしいね」


恥ずかしさのあまり、りっくんの顔を見ることができずに、りっくんの腕の中でうつむく。


そんなわたしの顎に手を添えて、りっくんがクイッと顔を上げさせる。


「まだ足りないっ」


思わぬりっくんの発言に、わたしは目が点になる。


「…でも、今さっきしたばかりだから、あれで十分でしょ…?」


体の中がぽわぽわになるくらい幸せな気持ちになったけど、同時にとてつもない恥ずかしさもあった。
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