クールな幼なじみが本気になったら
わたしは、名残惜しそうに手を振る。


今さっきデートから帰ってきたばかりだというのに、次はいつデートできるかな…なんてことを考えてしまうのだった。


小学生のときのように、りっくんと家が近ければ、こんなに寂しい思いをすることもないのかな。


と思っていた……そのとき。


「そうだ、りっくん!よかったら、ウチで晩ごはん食べていかないっ?」


なんと、お母さんから突然の提案。

突拍子もないその発言に、あのりっくんがキョトンした顔を見せる。


りっくんともう少しいっしょにいれるのはうれしいけど、さすがにいきなり晩ごはんに誘うのは…。


「…ちょっとお母さん、急すぎるよ…!」

「…あ、やっぱり?そうよね〜。りっくんだって、お家でごはんが用意されてるもんね」


そうだよ。

りっくんのお母さんだって、きっと今頃晩ごはんの支度をしているに違いない。
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