クールな幼なじみが本気になったら
それを見て、頬が緩むりっくん。


「しずくのお母さんのミートスパ、すっげぇ久しぶりに食べるからうれしいです」


小学生のときは、りっくんがわたしの家に遊びにきたときは、いっしょにご飯を食べることもあった。

その中でも、りっくんがお母さんの手料理で好きだったのがミートソースのスパゲッティ。


毎回、口の周りを真っ赤に染めながら頬張っていた。


「うれし〜!りっくん、覚えててくれてたんだ!」

「もちろんですっ。俺の大好物ですから」


お母さんにそのことを伝えると、りっくんはクルクルとフォークでパスタを巻くと、口へと運んだ。


「うん、うまいっ」


クールなりっくんが、まるで子どもみたいに頬張っている。

その幸せそうなりっくんの表情を見て、わたしとお母さんは顔を見合わせて微笑んだ。
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