クールな幼なじみが本気になったら
…ゴロゴロ


空が唸っている。

わたしは、布団の中にくるまって耳を塞ぐ。


だけど、それでも聞こえる雷の音。


わたしは、小さい頃から雷が大の苦手だった。

それは、今でも変わらない。


いつもなら気にしないフリをして寝ようとするのだけれど、今日はりっくんといっしょだから、意識してなかなか眠れない…!


そのせいか、雷の音がやたらと耳に入ってくる。


…こわいっ。

早く…止まないかな。


そう心の中で念じていた――そのとき。


「…しずく」


真っ暗な部屋の中。

落ち着いた声が、静かに響く。


ゆっくりと布団から顔を出すと、りっくんがわたしのベッドのすぐそばにいた。


「雷…、今もまだこわいんだな」

「う…うん。でも、大丈夫だから」

「なんも大丈夫じゃねぇよ。だって、しずく…震えてる」
< 171 / 220 >

この作品をシェア

pagetop