クールな幼なじみが本気になったら
そんなことで毎回いじめられたら、たまったもんじゃない。


だけど、…りっくんならいいんだ。


…いや。

律希だから、いいんだ。



それから、1年後。

今日は、中学最後の三度目の文化祭。


「しずく、なに食べたい?」

「…ん〜っと。わたあめかな?」

「えっ…。いきなり甘いもの…!?」

「うん。そう言う律希は?」

「やっぱり、まずはフランクフルトじゃない?」


わたしたちは、仲よく手を繋ぎながら文化祭を楽しんでいた。



律希は、相変わらずモデルの仕事が忙しそう。

だけど、この日だけは予定を空けてくれていた。


『来年は絶対に2人でまわろう』


1年前にした約束を覚えてくれていたから。



わたしはというと、少しずつだけど積極的になってきたような気がする。

控えめな自分を卒業したくて。
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