クールな幼なじみが本気になったら
初めは長く感じたけど、あっという間の1週間だった。


わたしはいつも通りに登校すると、ふと後ろから名前を呼ばれた。


「しずく!」


振り返ると、そこにいたのはりっくん。

たまにこうしていっしょになると、声をかけてくれる。


「りっくん!久しぶりだねっ。撮影終わったの?」

「ああ。昨日の夜に帰ってきた」

「そっか。お疲れさま」


りっくんは、雑誌の撮影で学校を休んでいた。

どうやら、沖縄に行っていたんだそう。


「これ、お土産。バタバタしてて選ぶ時間なくて、帰りの空港で急いで買ったんだけど…。よかったら、おじさんとおばさんもいっしょに」

「わざわざそんなことしなくてもよかったのに〜。でも、ありがとう!」


わたしは、りっくんから手渡された紙袋の中を覗く。


「わぁ!紅芋タルトだ!わたし、これ大好きだよっ。お父さんもお母さんも!」
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